飛ばない天馬
50回目の有馬記念。
今日ディープは、飛ばなかった。
レース中盤以降、
誰が見ていてもはっきりわかる、いつものスイッチが
なぜか入らなかった。
ビリでスタートし、結局2位だった。
中山競馬場は微妙な空気。
1位の騎手はニコニコ顔でインタビューに答えてるのに、
「めでたい」ムードが漂わない。
無敗の4冠ならず... ディープインパクト。
見ていて感じたのは、
ディープはコントロールされすぎなんじゃないだろうか、ということ。
専門的なことは何もわからないけど。 いろんな意味で。
今日彼は飛べなかったんじゃなくて、飛ばなかったんだと思う。
頭のいい馬だから。 それがいいと思って自分の意志でそうしたんだ。
神聖な魂に、人間のつくった情報を入れすぎてはいけない。
勝った時と同じくらい、負けたディープはたくさんのことを教えてくれた。
負けるということ。 マイナスな何か。
減っていく。消えていく。去っていく。
下るということ。 離れるということ。
私も今いる、その場所に。
ディープ、もう飛ばないの? その羽根を使って。 もう一度、 自由に。