essay back number 2003.2-2005.12 なつのいちご

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 2003.11 


 ただいま

ただいま。
戻ってきました。
久しぶりの日本。  一番驚いたことは。
街が暗い。
どこもかしこもこんなに暗かったかしら、と驚いてます。
雰囲気の話とかじゃなくネオンとか、つまり明かりそのものの話です。
向こうで5番街は銀座、日本橋に似てる...なぁーんてこと書きましたが
すみません、全然違いました。(笑)
東京は色気のない模型のように見えます。  すべてが小さくて。
けれど。 やはりここを愛おしく思います。
帰国する2、3日前からニューヨークの街を歩いていても
東京の風景が心に戻ってきて透けて見え始めてた。
あぁ、あそこに戻るんだな、と。
成田エキスプレスで東京駅まで。そして外に一歩出た瞬間。



ここでやることがある、と。  強く実感した。



メトロポリタン美術館で(結局5回行きました)JAPANのエリアは
ちょうど織部展をやっていたんです。
それを見た時、日本を誇りに思いました。
おおきな竹篭の中が茶室になっていて、となりには素晴らしい生け花。
光りに照らされ、床に映る竹の編み目の影。
西洋人がどんなに真似しようと思ってもけして届かないだろう
古代から続いてきた繊細な日本の血脈がそこには表現されていました。

私は。 正しい日本人になりたい。  強く願います。
日本を持って、世界へ飛んでいきたい。
ニューヨークへ行って一番はっきりわかったことはこういう事でした。
自分は日本人。
あたり前なことだけど、でも日本にいたらあたり前すぎて
一生強く意識することなんてなかったかも。
飛び出して、自分のいる世界を外側から見ることができて
本当によかったです。


それともうひとつ。 たいせつなはなし。

戻った途端、たくさんの人達からのおかえりメールやおかえり電話。
みなさん、本当にありがとう。ありがとう。ありがとう。
おかえりと言ってもらえることの、
待ってたよ、と言ってもらえることの、
こんなにもうれしい気持ち。
初めて知りました。
そして、とても重要な発見をすることができたんだよ。
今回の旅の本当の目的、一番欲しいもの、探しものの答え、
実はこれだったんじゃないのか、と思えるような。
それは。
私は生まれてから、ただの一度も、心の底から人を好きになったことがない。
ということに気付いたこと。
愛について、いっぱい、いっぱい、まるで分かってるふうなこと言ってきたけど。
今までのたくさんの、あの想い達は。   本物じゃない。
人を思いやるって、大切にするって、好きになるって、
私がやってきたあんなことじゃない。 あんなことじゃなかった。
ニューヨークでのひと月半。
たくさんの「本物」を見た。
だからこそ自分のなかのウソを発見できた。
この先、写真を撮る時。人さし指が動く時。 写るものは変わると思う。
もう、いない。どこにも。  私はニューヨークで叩き殺した。
ほんとうの愛を知らない、それまでの自分を。
だから、ただいまというより。
「はじめまして」、なんだよ。
おかえり、と言ってくれたみんなのこと。
これからはもっとたいせつにできると思う。


今、屋久島と熊野に呼ばれています。
どちらもこのひと月の間に行く事になるでしょう。

どこへでも。
もういつだって、どこへでも。
飛んでいく。
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 屋久島

さっそくですが屋久島、です。
明日から行ってきます。

出発前にいくつかドラマがありましたが
結局は一番信頼できるメンバーが揃い
みんなでいっせいに出発することができます。

どれもこれも島からくる信号のように思えて
すでに旅は始まっているかのようです。
壮大な学びの世界が広がっているのを感じます。

それぞれの思いを胸に。
私もわたしだけの思いを胸に。

ふたたび離陸です。
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 暗黒

屋久島の神様が見せてくれたものは
厳しい試練でした。
今、私はとても苦しいのでそれを吐き出すために
ひどいことを書きます。

この世で、きらい、と思う人が増えました。

あの黒い世界での気配と。
あの夜の部屋でのくすくす笑いと。
ひそひそ話と。

私の出した信号を読み取れないなんて。
私がこの世でいちばんきらいなのは
同じことを何度も繰り返すあたまのわるいひと。
人がいやだと言っているのに。
いったいどこを、何をいやだと言ってるのか。
その思いの深さを理解しようとしない。

諸悪の根源は離れた心。
だからなにも見えない。
見えないから正確な仕事ひとつできない。
失敗をそのままに、先へ進めると思うな。
気付くものがあれば、引き返しておいで。
もう一度だけ話をしよう。
あなたとわたしが犯した、たくさんのたくさんの
過ちについて。

もしもそのままいくというなら。
谷底へ落ちるがいい。


今すぐ。  共倒れ、だ。


助かるキーワードは4つ。
思いやりと感謝と精進と、愛と。
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 暗室

ニューヨークのプリントを始める。
もうこの一瞬一瞬に生きることにする。
少しでも先のことを考えたり全体を把握しようとすると
とたんに気が遠くなるほどのものすごい量なので。
ゆっくりやろう。

ふと、今気付きました。この感じ。
前にも経験したような、と思ったら。
今年の春。
ここへ引っ越して来た時のことを思い出した。
確かあの時も、一番助けてくれるはずの人が
となりにいなくて、大変だった。

また同じような状況だな。
なぜ戻ったりしたんだろう?
進むことが最大の目的だったのに。

どうしたってここは、同じ場所。
気分は。 すごろく。
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 いやないやないやなおもい

少し落ち着いてきた、けど。
今にして思えば、ニューヨークでみたあのひどい夢。
まさに正夢となりました。
登場人物に多少の違いはあるものの、まったく同じことが起りました。

さて、これからいったいどうなるんでしょう?
人のせいにしたり、起きたことをくよくよ考えたりするのは
ある意味楽ですが、生産的な生き方ではないですね。
ここから自分は何を学べるのか。
そこに意識を集中しつつ乗り切るしかないようです。
なぜこんなことが、なんてことばかり思っても
そこにはなんの意味もないと思うし。
必要だからこそ今こんなとこ通ってるんだろう。
だってそうとしか思えない。
そうじゃないんだったら、いったいなんだってんだよ!?
こんなことになっちゃってさ。
ねぇ?
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 熊野へのメール

返信ありがとう。
あなたからのメール。 読んで驚く。
まったく私と一緒。
でも少しだけ、昨日気付いたことがあったよ。
それは。
このイヤな気持ちがなければ、私はただうかれながら生きて
本当に自分が欲しいものを手に入れることなく、どんどん進むだけ進んで
そしてとうとうなにも気付かず、やがておしまいの日がきて死ぬんだろううなぁって。
それもひとつの生き方だけど、わたしがやりたいことじゃない。
だから。きっと何かを知らせるためにやってきたかもしれない、
この苦しさを教師だと思うことにして、
このイヤな感じについていこうと思った。
その先に私が求めるものがあるだろうな、と思うから。

19日の夜行バスがとれれば20日の朝には熊野入りできると思う。
翌日あなたは帰ってしまうけどせめて一晩一緒に過ごしたい。
会って、いきなり泣いたりしたらごめんね。

いちご。
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 熊野への旅

さて、熊野です。
車線変更に次ぐ車線変更、または障害物競争のようで
私ののってる流れはもうほとんど鳴門の渦潮状態です。
激流にのまれて、手が離れる人も出てきました、とうとう。

さよなら。

ニューヨークで養ってきた本物を見る目と
屋久島の神様にもらった教材を持って
熊野の地で最終試験受けてきます。

さよなら。
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 ただいま!

ただいま!
ただいま!ただいまっっっ!!!!!



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